仙台市議会有志によるナノテラス現地視察及び課題解決にむけた意見交換会を主催しました(2024年3月19日)

 次世代放射光施設「ナノテラス」がいよいよ2024年度から運用開始となる直前のタイミングで、仙台市としての課題抽出と今後の方策について議論すべく、ナノテラスの現地視察及び課題解決にむけた意見交換会を、東北大学ナノテラス共創推進課、並びに一般財団法人光科学イノベーションセンター(PhoSIC)等関係各位のご協力のもと、心豊かな社会をつくる会(代表:大草よしえ)の主催で3月19日に開催いたしました。本会は、大草よしえの令和5年第3回定例会における次世代放射光施設の利活用に関する一般質問をきっかけに会派を超えて「ぜひナノテラスの勉強をしたい」との声を多数いただいたため、仙台市議会の全会派に声がけを行って企画したもので、仙台市議議員の有志約20名から参加いただきました。

【開催概要】
ナノテラス現地視察及び課題解決にむけた意見交換会

1.日時・場所
  日時:2024年3月19日(火)10:00~12:00
  場所:ナノテラス
2.主催・協力
  主催:心豊かな社会をつくる会(大草よしえ)
  協力:東北大学ナノテラス共創推進課、一般財団法人光科学イノベーションセンター
3.参加者
  一般財団法人光科学イノベーションセンター(PhoSIC)高田昌樹理事長、
  東北大学ナノテラス共創推進課、東北大学共創戦略センター、
  仙台市経済局、仙台市議会議員有志

開催報告

Figure 1 光科学イノベーションセンター高田昌樹理事長による説明

Figure 2 ナノテラスの見学

Figure 3 仙台市としての課題解決にむけた意見交換会
 はじめにPhoSICの高田昌樹理事長から、東日本大震災からの復興の象徴にしようと10年以上前から本構想を進めてきた経緯や、ナノテラスの概要についてご説明いただいた後、整備の進むビームラインなどの施設も間近に見学させていただきながら解説いただきました。高田理事長からは、「単なる学者の研究ツールでは地域にとってメリットがない。如何に地域の産業と結びつけ、地域イノベーション支援ツールとして社会価値創造に繋げるか」と、これまで放射光と縁がなかった企業等が次世代放射光を活用するための新たな産学連携の仕組みとして「コアリション」(有志連合)を結成し、課題と出口イメージを共有してサイエンス面を支援する仕組みに取り組む意図が力強く語られました。そのために「ナノテラスによる可視化」とは、専門家だけがわかるデータではなく、誰でも視覚的に物質の状態を理解できるデータになる点が強調され、企業による課題解決事例等も紹介されました。

 施設見学後は、ナノテラスの教育利用について、高田理事長から仙台市内及び国内外の事例をご紹介いただいた後、仙台市としての課題抽出と今後の方策について、高田理事長や東北大学ナノテラス共創推進課、東北大学共創戦略センター、仙台市経済局などの関係者を交えながら、仙台市議会議員有志と様々な観点から議論を行いました。高田理事長は「ミッションの達成には“巨大な顕微鏡”のレンタルでは不十分で、如何に社会的価値へ繋げられるかが肝要。単なるツールではなくプラットフォーマーになることが大事」と何度も強調されており、そのために仙台市に求める役割として「機運醸成や次世代育成、如何に地域とナノテラスを結んでいくか」との期待も語られました。私たち仙台市議会議員も「仙台からの価値創造」にむけた決意を新たにした視察及び意見交換会となりました。

 大変お忙しい中、本企画にご協力いただきました、PhoSICの高田理事長、東北大学ナノテラス共創推進課、東北大学共創戦略センター、仙台市経済局の関係各位に心より感謝申し上げます。


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